おばんざい心理学講座 その1

【おばんざい心理学講座 (その1)】
【おばんざい心理学講座 (その1)】

心理学というと難しいと思われる方もたくさんいらっしゃると思います。この『おばんざい心理学講座』では、できるだけ専門用語をよけて、小学校高学年レベルの日本語がわかる方なら、誰でもわかる心理学講座を試みようと思います。
これから決まったカリキュラムなしに、おもいつくまま気楽にお話いたします。初回は、【しがらみ】です。しがらみとは、辞書をひくと(川の中にくいを打ち並べ、竹や木を横に組んで水流をせき止めるもの)とあります。流れがせき止められ、そこに流れてくるものが絡まる。それが転じて人のこころに絡みついて、決意や行動をおしとどめてしまうことを意味します。この「しがらみ」のために、相手の反応を気にして「そんたく」したり、「遠慮」したり、「気を使う」ことが過ぎると、人は疲労します。それを「気がかり」といいます。気がかりが長時間、長期間続くと、その緊張=ストレスが、体に悪影響を与えます。つまり、しがらみがなければ、ストレスがかかっても回復しやすいが、しがらみがあるとストレスが溜まっていくということです。

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その一方で生活する中で、ハリがない、緊張がない弛緩した時間は、退屈です。緊張=ストレスがない生活は、気持ちを重くします。ストレス=緊張は、適度にあった方が自然です。
でも、ストレスが強すぎたり、長く続いたり、しがらみのために気を使いすぎると、気疲れから、気が弱い状態になることは、病気になる基礎をつくります。適度な緊張から、力を抜いた状態に速やかに落ち着くことができれば、緊張は程よいけじめになります。しかし、しがらみがあれば、リラックスすることは難しくストレスが溜まります。秩序や規律のない生活は、からだにも負担をかけますが(生活リズムがバラバラだったり、好きな時に寝て、食べたいだけ食べるなど)しがらみのために萎縮した、自由のない生活はストレスを溜めていきます。つまり、規律と自由のバランスが良ければ、健康が維持しやすいということです。
毎日何回も血圧を測る、病気の副作用についてネットで調べる、病気になった人たちのブログを読みふけるといった行動は、「しがらみ」を増やしていきます。人に心配事ばかり繰り返し話す、あるいは聞いてあげることも「しがらみ」を増やします。適度な緊張を保って、しがらみをできるだけ作らない、減らす工夫がリラックスしてできる。こんな人が、人生のエリートではないでしょうか。